*日本海側
マスタリングのお客さんだった。
話を聞くと、地元が新潟。
同郷だ。
カフェオ男は、日本海側が多い。
意図して選んでいる訳じゃない。
たまたまだ。
シュガーフィールズ(新潟)、スネオヘアー(新潟)、
マーガレットズロース(新潟)、ケミカルボリューム(某日本海側)、
スウォングループユウキテツヤ(島根)、北川修幹(富山)、
カジくん(鳥取)、隙間三業(新潟)。
*都会的
ドラムが兄で、弟がベース、幼なじみがギター。
なんともほのぼの仲良し3人組だが、
音は、都会的なインスト。
ぱっと聴きは。
*リフレイン
カフェオレーベルは「うたもの」と言われているが、
隙間三業をリリースしたいと思った。
私は、別に「うたもの」が好きな訳じゃない。
ぐっと来ればいい。
ぐっと来た。
音はクールだが、繰り出されるリフがポップだ。
主旋律など必要無い。
リフがポップだなんて、ロックンロールだ。ファンクだ。
ローリングストーンズに主旋律なんてあるのか?
あるけど、歌メロをオルゴールにして成り立つような音楽ではない。
構造的に、主旋律で成り立っている音楽ではないのだ。
リフだ。
ジェームス・ブラウンに主旋律があるか?
何小節かに一回「ゲロンパ!」って言ってるだけで最高じゃないか。
リフだ。
グルーヴだ。
*ドラッグのような
口ずさめるリフレイン。
走り抜けるスピード感。
インストバンドにありがちな凝り過ぎてスピードが落ちるところもない。
時々現れるフックは、カーブの直前のブレーキだ。
次にまたアクセルを踏み込むための。
ドライブミュージックに最適だが、
気がつけば警察に後ろから貼り付かれているかも知れない。
スピードに対する恐怖感が無くなる、
ドラッグのようなドライブミュージックだ。
*缶蹴り
ぱっと聴きは、夜の首都高速のようなイメージが浮かぶが、
私は、この音のスピード感の中に、
新潟の地元で遊んだ、子供の頃のドキドキ感を思い出す。
凧揚げ、
缶蹴り、
草野球、
釣りや、
夏祭りや、
スキー、
そして淡い初恋までも含めた
少年時代の逸る鼓動、ときめきとスピード感。
*授業をサボって
ずっと、地元が同じで、
一緒に遊んで過ごして来た3人。
授業をサボって、海辺を眺めていた3人。
今でも、同じように、音で遊んでいる。
*空気
カフェオレーベルに同郷の男が多いのは、
日本海側の、少年時代の、
あのちょっと湿った空気を、
音の中に感じるからかも知れない。
隙間三業 LIVE